4種類のエナメル線の特性と用途(1)

1、油性エナメル線

油性エナメル線は、20世紀初頭に開発された世界最古のエナメル線です。耐熱温度は105℃で、耐湿性、耐高周波性、耐過負荷性に優れています。高温の過酷な環境下でも、塗膜の誘電特性、密着性、弾性は良好です。

油性エナメル線は、一般計器、リレー、安定器など、一般的な状況の電気・電子製品に適しています。この製品の塗膜の機械的強度が低いため、電線の埋め込み工程で傷がつきやすく、現在は生産も使用もされていません。

2、アセタールエナメル線

アセタールエナメル線塗料は、1930 年代にドイツの Hoochst 社と米国の Shavinigen 社によって開発され、市場に投入されました。

耐熱温度は105℃と120℃です。アセタールエナメル線は、優れた機械的強度、接着性、耐変圧器油性、耐冷媒性を備えています。しかし、耐湿性が低く、軟化破壊温度が低いため、現在では油入変圧器や油入モーターの巻線に広く使用されています。

3、ポリエステルエナメル線

ポリエステルエナメル線塗料は、1950年代にドイツのベック博士によって製造されました。

開発に成功し、市場に投入されました。通常のポリエステルエナメル線の耐熱グレードは130ですが、THEIC改質ポリエステルエナメル線の耐熱グレードは155です。ポリエステルエナメル線は、高い機械的強度と優れた弾性、耐傷性、接着性、電気特性、耐溶剤性を備えており、各種モーター、電化製品、計測機器、通信機器、家電製品などに広く使用されています。

4、ポリウレタンエナメル線

ポリウレタンエナメル線用塗料は、1930年代にドイツのBaer社によって開発され、1950年代初頭に市場に投入されました。現在までに、ポリウレタンエナメル線の耐熱レベルは120、130、155、180となっています。その中でも、クラス120とクラス130が最も広く使用されています。一方、クラス155とクラス180は高耐熱グレードのポリウレタンに属し、一般的に動作温度が高い電気機器に適しています。


投稿日時: 2023年6月15日